西部通信 ピアノ相談Q&A

ピアノ相談室Q&A~西部ピアノに寄せられたご質問を紹介~

お客様から西部ピアノに寄せられたご質問内容を紹介いたします。皆さまもピアノに関すること、西部ピアノのことなど、何か気になる点がございましたら、ぜひご質問ください。

Q&A

鍵盤に子供がジュースをこぼしてしまいました。どうしたらいいですか?

すぐにタオルで鍵盤の上面を拭き、調律師に適切な処置をしてもらってください。鍵盤の下には木やフェルト、金属などが密接しているため、フェルトや木の膨張・変形、金属の錆により、故障や劣化の原因となります。またジュースなど糖分が含まれている場合は、きちんと糖分を拭き取らないと、それが原因で粘つきや錆などで、鍵盤が正常に動作しなくなり、修理をしても後遺症が残る場合もあります。水はピアノの大敵。くれぐれもご注意を

調律師ってどうやったらなれるのですか?国家試験はありますか?

一般的に調律科のある専門学校を卒業して調律師になる場合がほとんどです。残念ながら国家試験がないので、調律師の技術レベルを判断するバロメーターはありません。そのため、調律師は経験年数ではなく、経験台数によって技術レベルに差がでると言われています。よい調律師は調律だけでなく、修理や整調も含め、弾き手の要望を汲み取り、それを実現するためにピアノをいかようにも変身させることができる人なのです。

調律をしてもらうときに技術者の方に伝えることはありますか?

調律師が一番伺いたいのは、お客様のピアノに問題がないかという事です。調律師の仕事は、音を直すのはもちろん、ピアノ全体を見て修理・整調し、ピアノ自身が持っている力を最大限に引き出し、お客様の好みに調整する事。その為に必要なのは、演奏者の意見です。動きにくい鍵盤がある、先生のピアノと違う等、気になる事を調律師にそのまま伝えてください。調律師がその原因を見つけて改善します。また、当日弾いている方が立ち会えない場合はメモ書き程度で構いませんので気になる事を書き残して頂くと良いでしょう。調律師はピアノのお医者さんです。ご遠慮なく希望を伝えるのが一番良い方法です。

自宅が湿気の多い地域なのですが、特に雨の日にピアノを弾くと、ピアノから「ビーン」という音がします。何か対処法はありますか?

それは「共鳴」といわれるもので、考えられる原因はふたつ。ひとつめは、湿度によるピアノ内部の木部の収縮や、金具留めのネジが緩みなどで、木部と金具に隙間ができてしまった場合で、その隙間と音の周波数が重なり合って共鳴音が発生するものです。ピアノの上に置かれたスチール製又はガラス製の物や電灯の傘、カーテンレールなど、ピアノ以外の物と触れ合い、共鳴音が発生している場合もあります。もうひとつは、湿度や温度の変化により弦の張力が微妙に変わった場合。張力が変わると周波数も微妙に変わり、周辺の何かと波長が同調し共鳴が起きます。もし共鳴音が発生したら、まずはピアノの上や周りに置かれているガラス製の物を移動させてみてください。それで直らないようでしたら、信頼できる調律師にお願いしましょう。

知人からピアノを譲ってもらうことになりました。お手入れ、ケアに使うグッズは、どんなものをそろえたらいいですか?また、それらの基本的な使い方や、ごく日常的にケア方法は?

まず、譲渡時にピアノの状態のご確認を。なかには、ずっと使っていなかった為、内部がひどい状態で、修理をしたら中古ピアノを購入するくらいの費用がかかったという例も結構あります。聞きづらいかもしれませんが、その後のトラブルを起こさない為、一度調律師に点検してもらい、お互い確認しあってから譲渡される事をお勧めします。お手入れに関しては、まずはこまめにピアノを弾き、演奏後に手の汗や油分を拭取ってあげる事。拭取る布は市販のクロスでもいいですし、身近な物ならTシャツのような布で十分です。汚れが気になる場合は、クリーナーを使われると早いですが、ピアノによっては使えない場合もありますので、購入時にご確認ください。乾燥剤等ピアノ内部に入れた方が良い物もありますが、こちらは調律師に任された方が良いですね。

消音ユニットはどんなものですか?一度付けたらはずせないのでしょうか?

消音ユニットとは、アコースティックピアノに取り付けることで生音を消し、ヘッドフォンで音を鳴らす機械のことです。周囲を気にせず、好きな時に思いきり弾くことができるので便利です。取りはずすことも可能ですが、消音ユニットを付けていても、それ自体を使わなければ普通のピアノとして演奏できるので、あえて取りはずす必要はないと思います。なかには、ヘッドフォンでなく、別売りのスピーカーに小さい音を出力させて演奏している方もいらっしゃいますよ。

梅雨の季節、自分でできるピアノのお手入れはありますか?

この時期の悩みの多くは、鍵盤が戻らない、音が出ないなど、木部やフェルトの膨張による機械部分の動作不良や金属部分のサビです。
これらの予防策として、

天気のいい日にピアノの天板を空けて空気を入れ替える
乾燥剤をこまめに入れ替える(量は1キロを目安に)
部屋全体を除湿する(エアコン使用の場合は、冷気がピアノに直接当たらないように風向きを調整)
などがあります。もし動作不良などが発生した場合には、調律師にご相談ください。

日本の夏は湿度が高いですが、ピアノについて何か気をつけた方が良いことはありますか?

湿度が高いと楽器の木やフェルト部分が膨張し、音が鳴らなくなったり鍵盤が戻らなくなったりします。ひどくなるとカビやサビの発生も。ピアノは人が快適と感じる環境がベスト。部屋の湿度は50〜70%にするとよいでしょう。ただし、エアコンを使う場合は風が直接楽器に当たらないよう注意が必要。表面が過乾燥になり、塗装面のひび割れを誘発しかねません。また、ON/OFF時の温度差が大きいと音が狂う原因にも。部屋を常に一定の温湿度に保ことが理想ですが、なかなか難しいでしょう。そこで強い味方が乾燥剤。内部の湿気を吸収発散し、湿度を一定に保ちます。押し入れ用の乾燥剤は湿気を吸収するだけで発散はしないため、楽器専用の物をおすすめします。

ヤマハによる買収で話題の「ベーゼンドルファー」。どんな特徴のあるピアノなのでしょうか?

1828年創業、世界3大ピアノのひとつに数えられるウィーンのピアノメーカーです。伝統的な“ウィンナトーン”に加え、1つひとつの音を美しく持続させること(“シンキング・トーン”とも言う)を考え、独自の構造、木材の選定、製造を行っています。創業から2年で宮廷御用達の栄誉を得たほか、リストが一晩弾いても音が狂わないことにより名声を確立したという逸話も。またベーゼンドルファーならではのモデルといえば、低音部にエクステンドベースを持ち、鍵盤が88鍵より多いピアノ。誤打を防ぐため、その部分は白鍵も黒色になっています。世界の名器といわれるベーゼンドルファー。今後も素晴らしいピアノを期待したいですね。

ピアノの寿命はどれくらいですか?

ピアノは、お手入れ次第では100年以上弾くことができます。
(西部ピアノには「マームシャー」という150年前のピアノがあり、今でも演奏されています。)
長持ちさせる秘訣は、定期的なメンテナンスと環境維持(湿度調整)をすることですが、ここで注意すべきことは、
「ピアノは弾かなくても傷む」ということ。
定期診断で早期発見早期治療!人間もピアノも同じですね。

ピアノの価格はピンからキリまでありますが、ピアノの価格は何によって決まるのでしょうか?

ピアノの価格は材料や製造方法によって決まりますが、ほとんどは材料の差です。例えば、ピアノの心臓とも言われる響板の木材は、スプルース(マツ科)が使われます。響板に使われる物は正目で、目が等間隔でありその密度が高いもの、中でも温度変化が比較的安定している、北欧のスプルースが最適といわれています。そのスプルースの特に良い部分を厳選して使用しているのがスタインウェイなどの高級品クラスのピアノです。高級品はその他の部分にでもふんだんに木を使用していますが中級品以下のクラスのピアノはその一部(代替が可能な部分)でプラスチック等を利用し、また正目の不均一な木材を使用し、価格ダウンを図ったりします。同様に他のパーツ(ハンマーフェルトやシャンク棒など)でもランク分けがされています。価格は、普及品・中級品・高級品に分かれますが、高級品にはスタインウェイなどのピアノ、中級品には日本製ピアノがランク上位に格付けされています。中級の中では日本製のピアノはハイレベルといえます。ピアノ販売時、価格の異なったいろんなピアノがありますが、値引率に差をつけることで概ね商品のレベルに差をつけている場合がありますので、おおよそのレベルを判断するには実売価格で考えられると良いと思います。

アップライトピアノも、グランドピアノのように蓋を開けて弾いた方がいいのでしょうか?

一般家庭でご利用になられる場合は、蓋を閉めた状態が多いですね。音量や音の響きが欲しいときに蓋を開けて弾くと、気持ちよく演奏することができます。サロンやお店で演奏される場合も効果的です。注意していただきたいのは演奏後。開けっ放しにしていると、湿度による動作不良や落下物による故障など、思わぬ事態を招きかねません。なので、演奏後には鍵盤蓋はもちろん、上の蓋も閉め忘れないようにしてください。もしもの場合は、西部ピアノまでご連絡ください。

「整音」って何ですか?

「整音」とは文字通り、音を整える作業のことで、発音、音色、ダイナミクスを88鍵すべて調整して揃えます。ピアノの調整作業は、修理→調律→整調→整音→再調律の順に行いますが、ピアノ本体の状態がすべて正常でないと「整音」はできません。「整音」は、1音ずつ聴き、針を刺すポイントや角度・回数を変化させるため、繊細な技術力と能力を必要とします。残念ながら整音のできない調律師が多数存在するのも現実です。

「弾き込まれたピアノはよく鳴る」とか「新品のピアノはまだ鳴らない」などと聞くことがありますが、この鳴らないとはどういうことなのでしょうか?

ピアノを弾き込む事によって、アクションの動きが良くなり、弦は伸びきってピンとはった状態になり響きの良い音色になります。さらに演奏者の癖に合わせた調整が重なり合ったとき、弾き心地の良い=鳴るピアノになります。しかし、弦が切れてしまうなど、最高な状態は長続きしません。よって、演奏者に合わせた調律・整調と各部分のメンテナンスを定期的に行うことが必要です。新品ピアノは、すべての部品が新品の為それぞれが適度な状態(なじむ)になるまでに時間がかかります。しかし、自分の求めるピアノを調律師と共に作り上げていく楽しみもあるのではないでしょうか。