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キューバに行ってきました!!~キューバのピアノ事情にびっくり!~
~日本とキューバの架け橋~
3.キューバに行ってきました ~キューバのピアノ事情にびっくり!~
![]() ハンマーはファイリングされずにこのようにノコギリ状に! |
イサのピアノは、アップライトもグランドピアノも、弦切れ・ハンマーガタは当たり前にあり、キューバはモノがないとその都度耳にたこが出来る位聞かされて、持参した中から、余分に使えそうな弦は提供し、彼らに正しい弦の張り方を教えて行く中で、実は整調もよく判っていない事に気付かされた。
ガタ修理をする時も、何をどうきちんとすればいいのか?よく判っていない事が判明し、アクション構造を聞くと、簡単な絵すらかけない。過去4・5年の間に、ロシアからも日本からも、はたまた、スタインウェイからも技術者がやって来て指導を受けたとか話していたが、それにしては、やる事がアバウト過ぎる…何故なのか??よくよく聞くと、ほとんど調律だけの指導だったらしい。
成る程!チューナーはやって来たが、テクニシャンは来ていないんだ。だから、こんな酷いコンディションでも気に為っていなかったのと、こんな状況になる事を予測できなかったんだと納得した。驚いたことに、調律や整調・修理に関する教科書と言うべきマニュアル本もない。誰もそんな事を教えてくれなかったしある事すら知らなかったと言う話しだった。
そんな状況でよくやって来たなって言うと、彼らは、「周りのモノを見ながら見よう見真似で直してきた。これがキューバ流さ!」って、明るく答えていた。俺が直したものを見てくれって色々見せられたが、成る程、木工技術は素晴らしいものがあった。手先の器用さは、日本人に劣らない。教科書があるのなら、それを送ってくれと、真剣に頼まれた。
何回かの外国人の講習でそこそこのレベルにはあるものの、正しいやり方を知っていない為、そして、何とかしてきたキューバ流の意識が、それ以上に追求する気持ちを持たせてない事に気付かされ、一つ一つシッカリと教えていけば、かなりの技術力がつくように感じられた。
この日から、現地スタッフをわが社のスタッフとチームを組ませ、マンツーマンでの修理調整を始めることに為った訳である。
![]() ピアノをメンテナンスする上で、技術指導も行ってきました。 |
3・4日はイサのピアノを調整する日々が続き、現地スタッフともそれなりのコミニュケーションが取れだした頃、噂を聞きつけピアノ科の主任教授がやって来た。聞いてみると、ハバナ市内にある別の音楽学校にあるグランドピアノの1台が予算がなくて酷い状態になっている。何とか助けてくれないか?との話であった。車で案内するのでよろしく頼むって事で、そのピアノを見てみた。
驚いた事に新しい弦が張り替えられていた。ただその弦の張り方が滅茶苦茶で雑音の原因にもなっており、それ以外の場所でも、下手に触ってバランスを崩し、整調がボロボロになってしまった痕跡が至る所にあった。どう触っても一日では元には戻せない状況だったので、応急的に特に酷いところを中心に修正し弾かせてみたら、非常に喜んでくれた。
その時に疑問がわいていた弦の張替えに関して聞いてみたところ、キューバにも弦はあるとの事だった。ただ、とても高くて国からシッカリした予算が貰えないと簡単には張替えできないと言う。
あるセクションがそういうものを寄付してもらって、それを抱え込んでしまっているのが現状らしい。足らない所に分けて行くとすぐになくなってしまうので、抱え込むらしい。でも、そこから闇に流れるものもあり、それが此処にある弦だと言う事だった。
では、誰が張ったのか?と聞くと、市中で調律する人がいて、その人達がやると言う。その人達はどこかで習ってきたのか?と聞くと、ヨーロッパで修行してきたと答えた。この作業内容を見る限り、イサのスタッフの方がはるかにましで、どう考えても修行の話しは信じられなかった。イサではモノがないから出来ないと言い、別の学校ではそれがあり、闇市的な流通があり、結局、イサにはお金がない事が判った。そしてまた、市中の技術力はイサを遥かに下回る程度でしかなく、口先で誤魔化している調律師がそこそこの人数でいる事も判った。
程度の差はあれ、日本でも同じ事がまかり通っているし、その事が一番腹立たしいと思っている自分にとって、この話しは聞き捨てならない事だった。シッカリとした技術をこのキューバで根付かしたい…そんな想いを持った一日であった。
![]() 日本国大使公邸のピアノも調律・修理してきました。 |
その後も、現地スタッフとの修理調整は続き、ある日、日本大使館から晩餐会に招待したいとお呼びがあった。お伺いすると、大使の西林さんは、物凄くクラシックに造詣があり、その集められているCDの数は驚くべき数であった。
応接室に年代もののスタインウエイのグランドが置かれてあり、見せて貰うと、かなり酷い状態であった。お話を聞くと、赴任前は廊下に置いてきぼり状態であった為、慌てて此処に置いたとの事だった。それなりには弾ける状態ではあったが、手入れはかなり必要なもので、改めて後日、調整にお伺いする事とした。ピアノを大事にしてくれる事は嬉しい事である。
その後も、何台かの調整依頼が別の学校から舞い込んできて、それを調整する間に日にちは過ぎていった。その間、一緒にやって来た現地スタッフの腕は向上して行き、それはそれで、嬉しい事であった。
キューバに行ってきました!!目次
キューバに行ってきました!!いろいろあったキューバでの滞在珍道中。お楽しみ下さい。
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