ピアノを大切にしたい
~西部ピアノからの提言です~
ピアノを大切にするには
このページをご覧になった方は、おそらく、ピアノをお持ちで、大切にしたいと思われて読んでくださっていることでしょう。
新しく買ったピアノだけでなく、祖母やその上から受け継いだピアノをお持ちかもしれません。ピアノは長く使い続ける楽器です。
そこで、ピアノの楽器の特徴から、日頃のメンテナンスを紹介いたします。
まず、最初にピアノは弾いていますか?
いくら大切なピアノだとしても、置いておくだけでは、意味がありません。
せっかくの楽器です。主に弾く人がいなくても、ぜひ、ちょっとずつでも触ってあげてください。
鍵盤の動きが悪くなったり、音が出にくい、いつもとちょっと音が違うという症状は、普段弾いていれば気付きやすいものです。
そして、気付いた点、何かおかしい点があったら、ご気軽に調律師にご相談下さい。
故障が小さな状態で発見でき、対応することで、大きな故障を食い止められます。
ピアノの特徴:湿気の変化に弱い楽器です

ピアノは湿気に弱い楽器です。
たしかに、ピアノの外側は、塗料でコーティングされているので、他の家具同様、湿気を吸いにくいものです。
しかし、ひとたび中を覗けば、ほとんどの部品が木とフェルト、そして金属と、湿気の影響を受けやすいものばかりです。
湿気が多い場合、木とフェルトは湿気を吸って膨らみ、金属は錆びます。
少しのことでもデリケートな接続部が滑らかに動かなくなります。
内部の変化を知らずに、いつもどおり弾いていると、変形したまま大きな力がかかり、
悪化して大規模な修理が必要になってきます。
たとえ弾かなくとも、歪んだ状態で固まってしまうので、状態は悪くなってしまいます。
湿気は夏場ばかりだと思っていませんか?冬場の結露で動作不良が起こることも。
冬場の室内は暖かく湿度が保たれています。
ピアノを開け、温かい空気をいれた後、ピアノを閉め、ピアノの内部が冷え、結露が発生し、
動作不良が起こることも多くあります。
湿気には十分注意をして下さい。
ですので、まずは、湿気対策が重要になります。
ピアノの置き場所は?
・ピアノは安定性のよい場所に置きましょう。
ピアノの重量は、大きさにもよりますがアップライトピアノで200Kg以上、グランドピアノでは小さいものでも、300Kg程度はあります。
ですから、倒れたりすると大変です。安定性の良い場所に設置し、出来れば、耐震、防振対策をするのがよいです。
移動や、お引越しの際は、よい機会ですので防音対策と合わせて検討してみてはいかがでしょうか。


・窓ぎわや外壁に面した場所は避けましょう。
外気の影響や直射日光を避けるため、窓ぎわや外壁に面した場所は避けましょう。
温度や湿度の変化により、ピアノは大きな影響をうけます。
結露したり、カビ、サビが発生したりします。直射日光は音の狂いを生じさせやすく、また、塗装面が日焼けしたり、時には大きく剥がれてしまいます。
・床暖房のある部屋は注意を

床暖房をしている部屋にピアノをおいている場合は、注意が必要です。ピアノは、温度の変化で、膨らんだり、縮んだりします。
特に、床暖房は直接的に温度の影響をピアノに与えます。せっかく調律したのに1ヶ月で音が狂ってしまうことも。
できるだけ、ピアノのためにも温度を一定に保つようにして頂ければと思います。
また、床暖房用にピアノの下に引く断熱シートも効果的です。
・台所のそば、タバコの煙には注意を
台所のそばは、揚げ物や炒め物で油を使い、この油が、粒子が細かく、ピアノの内部に侵入してしまいます。また、台所の湿気も注意が必要です。
また、タバコの煙も同様で、ピアノの内部構造に取り付き、悪影響を与えます。
・とは言っても、すでに置いているし、動かせないし。という時は。
とはいっても、普通のご家庭では難しい面も。
そんな時は、「人にとって快適な環境がピアノにとって快適」と考えてください。
夏は、涼しく湿気を取り、冬は暖かく過乾燥を防ぐ、タバコの煙を近づけない。
あまり難しく考えず、優しく取り扱っていただけることを願っております。
では、ピアノの湿気対策には?
まず、一番目にできるのは、ピアノ内部の通気をマメにすること。
天気の良い日に鍵盤蓋や上蓋(天屋根)を開け、
できれば前パネル、下パネルを外し、2~4時間くらい風を通すと効果的です。
(不安な場合は、パネルの外し方など調律師にお問い合わせ下さい。)
逆に湿度の高い日に鍵盤蓋を開けっ放しにしないでください。
ピアノカバーを掛けている場合は、定期的に取り外して、風通しの良いところで干してください。
そうすることで、ピアノカバー自体の湿気、ピアノカバーの内側にたまった湿気を取ることができます。
また、ピアノ専用の湿度調整剤は、特に湿気対策に効果的です。
ぜひ、ご検討下さい。
次に、外装を綺麗にするには?
ピアノにとって外装を綺麗にするので一番いいのは、実は、乾拭きです。ワックスの使いすぎには気をつけましょう。
市販の中性洗剤でも落ちます。ピアノ専用ワックスでもそうですが、拭いた後は必ず乾拭きしましょう。
(年代によって塗料も雑多です。ご心配なときは調律師にご相談下さい。)
ピアノが故障かな?と思ったら
では、ピアノの不具合にはどのようなものがあるのでしょう?
私たちの会社では、新規のお客様に、ピアノが故障かな?と思ったときに、見ていただく資料として、
「ピアノ症例集」というものを配布しております。
(実は、このページは、この症例集を参考にしています。)
その中から、いくつかピアノの故障の症状とその対応方法をご紹介します。
・変な音がする
変な音がする場合、一番目に考えられるのは共鳴です。
まず、ピアノの周辺を良く調べ、上にあるものを移動させてみましょう。特にガラスと金属系が共鳴しやすいです。
次にピアノ本体に使用されている金属、特に天屋根や譜面台、鍵盤蓋の蝶番が共鳴することが多いです。これらの開け閉めを何度か繰り返す事で収まる場合があります。
それでも、治らないときは内部の仕組みの異常で、修理が必要かもしれません。
・鍵盤が戻ってこない
鍵盤が戻ってこない原因として考えられるのは、木部・フェルトの膨張です。
軽度なものであれば換気や湿度調整剤の増量で対応できます。しかし、重度なものでは修理が必要になります。
応急の処置としては、鍵盤を下まで抑えつけて左右に動かすと、もどる場合がありますが、
あくまで応急処置で、フェルトを痛めつけますので、やり過ぎないように、まず、湿気対策をして下さい。
このような、症状が出たときは、ピアノの調律師にご相談下さい。
また、先程も書きましたが、あれ?と思うことがあったら、すぐに調律師に見てもらうのが確実になります。
ピアノのためには最低年1回の定期調律を
ピアノを大切に使ってゆくためには、定期的な保守が欠かせません。
そこで、ピアノの調律師に年に一回の定期調律を受けることを、強く強くお勧めします。
これは、弾いていなくとも、弾いていてもです。
弾いなくとも弦は伸びてゆきます。
ピアノの弦は定期的に調律することで良い状態を保つことができます。
また、よいピアノ調律師は、ピアノは長く使うべき楽器であることを知っています。
ですので、まず、調律をしながら、ピアノの調子の悪い所、悪くなりそうな所を見つけ、保守(修理)の計画をご提案するはずです。
ぜひ提案に沿って、定期的に保守(修理)をして下さい。
定期的に行なっていれば、突然の大きなトラブルや修理が起こる可能性が減ります。(無いとは言えませんが。)
そして、きっと、100年でも200年でも使い続けてゆけます。
最後に、ピアノの調律は私たちに、そして保守会員にぜひ
私たちの調律師は、ピアノは長く使い続けるものだと知っています。
ですから、まず、ピアノの買い替えを絶対に勧めません。
(新品ピアノが売れたら、それは嬉しいのですが、お客様のためになりません。)
ですが、修理は勧めます。大きな金額になるかもしれません。
その際は、私たちの調律師によく相談してください、そして、納得して修理をしてください。
無理なくピアノを大切にしてゆきましょう。
また、私たちの会社では、保守会員制度を作っています。
これは、保険と年一回の調律がセットになった制度です。ぜひ、お客様のピアノのためにご加入頂ければと思います。
長く使っていただくために、保守を続けていただけるということで、修理の割引も行っています。
ぜひ、末永く大切にして頂ければと思います。
私たちの願いは、ピアノを大切に長く使っていただくこと、です。
ピアノがお客様の大切なパートナーでありますように。
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