ベヒシュタインの脚を取り外す

こんな修理も手掛けました!!~ベヒシュタインの脚を取り外すの巻~

ベヒシュタインの脚を取り外すの巻

パリに住み着いたアメリカ人の著者(T.E. カーハート)が、この「パリ左岸のピアノ工房」の扉をノックし、ピアノという楽器の深遠な世界に入り込んでいく様子をつぶさに描いた「パリ左岸のピアノ工房」はもうお読みになりましたか。ショパンの好んだプレイエルや豪華なスタインウェイなど、古今東西の名器がこの工房に集まり、再生されていく物語です。私たち西部ピアノが大好きなファツィオーリの工房を訪ねるシーンまであります。そんな物語のピアノ工房のようなことを、私たちも東京で毎日実践しているのです。

このコラムは以前東京の下町に工房があった時の一端をお知らせするものです。

リストやドビュッシーが使っていた当時の黄金時代のベヒシュタインのグランドピアノ!!

写真はいずれも1895年頃のベヒシュタインのグランドピアノの脚を取り外しているところです。長年の経年変化のため、張り付いたようにびくとも動かず、業者より困り果てて、私ども西部ピアノに持ち込まれたものです。リストやドビュッシーが使っていた当時の黄金時代のベヒシュタインのグランドピアノなのです。

今でもこんな古い、しかも有名なピアノが頻繁に入ってきます

東京にも、パリの左岸に負けないくらいの意気込みと技術力でがんばっているピアノ工房があるのです。

ジグ1 – 脚の角度をピッタリに合わせます

脚の角度をピッタリに合わせます。

これがきちんとできないと、塗面を傷つけるどころか木部自体にも無理がかかり、割れたり塗面全体の剥離にもつながります。
接地面はきれいにペーパーがけをし、仕上げます。

ジグ2 – 脚との角度を調整するため、カット

脚との角度を調整するため、カット

脚との角度を調整するため、カットしている所です。

切りすぎるとすべてがパーになるため、細心の注意が必要となります。

ジグ3 – ピッタリ合うか確認

ピッタリ合うか確認

実際に当ててみてピッタリしているかどうか確認している所です。まるで小人になった気分がします。

ジグ3 – 傷つかないよう注意

傷つかないよう注意

キーカバーなどを使って塗面に傷つかないよう注意しながらキッチリはまっているか、再度確認をします。古いピアノ、特に外国製品は脚のサイズはそれぞれ微妙に、場合によっては確実にバラバラな場合が多いので、1本1本フェルトを巻く回数などで調整が必要となります。
ちょっとしたガタツキで、特にこのような古いピアノは塗面の剥離が起きやすく、ここのチェックはとくに重要となります。

ジグ3 – 割れないよう細心の注意

割れないよう細心の注意

それぞれ接地している木部が湿度変化や経年でひっついてしまっているので、無理に力を掛けるとねじ切ってしまう場合が多いものです。

経験のない多くの技術者の場合、ジグを作る発想も起きないので(その前にお手上げをするため)、ねじ切るようなことは起きませんが、生半可に物知り顔をする技術者はここで、心棒を折ってしまいピアノの老朽のせいにする場合が多く、大変悲しいことでもあります。

1cm回し少しまた戻し…この繰り返しをしながら、『パキッ!』と言う音を少しずつ立てさせながら、徐々に徐々に回していくのです。3~4人がかりで本当にゆっくり回して行く作業が続きます。腰が痛くなる作業ですが、このくらいの慎重さが本当に必要なのです。

外れた脚

外れた脚

外装がかなり痛んでいても、中の木部はしっかりしています。古い時代物のピアノが、本当にいいものを使っているのが見て取れます。何時も口癖のように言っている『同じメーカーのピアノであれば、新しいものは決して古いものには勝てない』という言葉の意味が、若手社員にも目で見て「なるほど」と判る瞬間でもあります。

こんな細い心棒で重たいグランドピアノを支えてる!!

こんな細い心棒で重たいグランドピアノを支えてる!!

こんな細い心棒で重たいグランドピアノを支えてると思うと何時もながら驚きます。今ではこれだけの強度を持った木は中々お目にかかれません。今のピアノはもっと太い木で支え、こんなねじ式ではもたないため、両側から太いボルトで補強しながら支えています。いかに昔はいい木を厳選して使っていたか判りますね。

再度、脚としてはめ込むため、心棒のねじ山一つひとつをペーパーがけし、ほんの少しのゆとりを作ります。もちろん削りすぎはご法度。一回削るたびにはめて見て、しまり具合を手で確かめながら、作業することは言うまでもありません。

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